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ご祝儀の相場とは?関係別でご紹介

ご祝儀とは?

現在ご祝儀は、結婚式や出産、入学、昇進などお祝い事の際に渡す贈り物という意味で使われています。

元々はお祝い事をお手伝いしてくれる人に対して、お祝いされる側が贈るものでしたが、時代によって意味合いが変わってきたのです。

今回は結婚式のご祝儀について解説します。結婚式以外に渡すご祝儀と共通する点もありますので、ぜひ身につけておきましょう。

ご祝儀の考え方

結婚式におけるご祝儀は、参列する人が受けるもてなしを金銭的に負担する、という意味合いが強いと考えられています。結婚式に参列する場合、一般的には食事やお酒、引き出物などのもてなしを受けますので、そのお金を渡すという考え方です。

披露宴に持参するご祝儀の金額は定められていません。参列者自らがもてなしに対する金額を決める、という考えからです。

ちなみに日本で定番のご祝儀は、欧米にはない習慣です。

欧米では、新郎新婦がギフトリストを用意します。参列する人はそのなかから品物を選び、プレゼントするようです。

ご祝儀の相場

ご祝儀の相場とは?関係別でご紹介

誰の結婚式に参列するかによって、ご祝儀の相場は変わってきます。

たとえば友人の結婚式に参列する場合は、ご祝儀の相場は3万円です。2019年の調査では、結婚式の食事代と引き出物代が参加者一人当たり2万5,000円を超えるといわれています。もてなしに対する代金という考え方からすると、妥当な金額だといえるでしょう。

会社の上司として参列する場合は、3〜5万円が相場です。直属の上司である場合や、役職によってもご祝儀として渡す相場は異なるでしょう。

家族や親族の結婚式の場合、5〜10万円包むのが一般的です。ただし新郎新婦より年下なら、3万円を包む場合もあります。

子供がいる参加者は、親のご祝儀に子供の金額もプラスします。小学生までの子供は一人当たり1万円、中学生以上なら2万円が相場です。

古くから日本では結婚式に割り切れる数字は離婚を連想させるため縁起が悪いとされており、ご祝儀の金額も割り切れない3万円や5万円がよいというのが通説でした。

ただ最近では、ペアを連想される2万円も問題ないとされています。

たとえば割り切れない数字であっても、「苦」を連想させる9万円はNGとされていますし、逆に割り切れる8万円は末広がりの意味があるのでいい数字とも言われているようです。

ご祝儀に関する基本マナー

結婚式に出席する直前に慌てないためにも、ご祝儀のマナーを知っておきましょう。

ここでは、6つのポイントを解説します。

1. 新札・入れる向き

ご祝儀袋にお金を包むときは、必ず新札を用意するのがマナーです。

新札は銀行や郵便局などで用意できます。事前に窓口が開いている日時を調べて、余裕を持って準備しましょう。

結婚式会場のフロントでも交換できる場合がありますので、忘れてしまった場合は問い合わせてみてください。

ご祝儀袋の中袋にお金を入れる際は、袋のおもて面にお札の人物の肖像画が来るようにして入れるのがマナーです。

2. ご祝儀袋

どのようなものを選べばマナー違反にならないのでしょうか。

ご祝儀袋を選ぶときにまず最初に気をつけたいのは水引の形です。

水引は袋を留めているリボンのような形をしたもので、さまざまな形に結ばれています。結婚式にふさわしいのは、結び切りかあわじ結びのどちらかです。何度解いても結べてしまう蝶結びは、結婚式では縁起が悪いとされています。

包む金額と袋のデザインを合わせることも大切です。

豪華で大ぶりな水引のデザインのご祝儀袋に少額を包むのは失礼だと考えられています。祝儀袋のパッケージに目安となるご祝儀金額が書かれている場合もありますので、参考にしながら選ぶとよいでしょう。

なお、定番のシンプルなご祝儀袋はコンビニやスーパーで購入可能です。最近は可愛らしいものや、凝ったデザインの華やかなものも増えてきましたので、文房具屋などで探してみてください。

3. 書き方

ご祝儀袋は、短冊に名前の表書きと中袋に金額や住所・名前を書きます。

表書きには渡す人の名前を書きますが、連名も可能です。

たとえば家族で包む場合は、一番右に家長など目上の人の名前が来るようにします。3名までの場合は横に名前を記入すればOKです。

4名以上になる場合は、一番目上の人の名前を書き、「外一同」と書くようにしましょう。この際は別紙に「外一同」の全員の名前を書き、中袋に入れておきます。

ご祝儀袋についている短冊は「寿」と書かれているものを使用するのが一般的です。ただ最近は「Happy Wedding」と書かれた洋風のものもあります。相手との関係性によって選びましょう。

中袋は表面に金額、裏面に住所と名前を記入します。金額は縦書きで「金参萬円」のように、旧字体を使うのが正式な書き方です。包んだ金額に合わせて、正しく記入しましょう。

また、筆や筆ペンを使用するのが正式なマナーです。とくに表書きには必ず筆か筆ペンを使ってください。

中袋に関してはそこまで細かくはありませんが、書いたときにはっきりとわかるペンを選びましょう。ボールペンより、太めのサインペンのほうが好ましいです。

4. 包み方

ご祝儀袋の中袋にお金を入れたら、上包みで包むことになります。このとき気をつけたいのが、裏側の折り返し部分です。

お祝い事の場合、「幸せが貯まる」という意味で、折り返しが上を向いている方を表に向けて水引で留めます。反対にしてしまうとお悔やみごとの意味を持ってしまうため、気をつけましょう。

ご祝儀袋には、表書きをする短冊が何枚か入っているはずです。無地の短冊は、失敗した際の予備と考える人も多いのですが、実は二重に重ねることで「二重の喜び」を表しています。

同様に、上包みも二重に重なっているものが正式なご祝儀袋です。しかし最近はこのマナーが薄れていっていることもあり、短冊を1枚しか付けなくても失礼には当たりません。

5. 袱紗

ご祝儀袋は袱紗(ふくさ)に入れるのがマナーです。直接バッグに入れてしまうと、折れたり汚れる可能性があるため、必ず袱紗を用意しておきましょう。

受付でご祝儀を渡すときに初めて、袱紗から取り出すのがマナーです。

結婚式などお祝い事のお金を包むときは、暖色系の明るい色のものを選びます。黒や寒色系はお悔やみの意味を持ちますので、結婚式には使用しないようにしてください。

最近はご祝儀袋を差し込むタイプの袱紗もありますが、一枚に広がるものを使用するときは、袱紗のたたみ方にもマナーがあります。結婚式で袱紗を使用する場合は、袱紗の中央に表向きでご祝儀袋を乗せて、左→上→下→右の順番で折りたたみましょう。順番を逆にしてしまうと、お悔やみの意味になってしまいます。

6. 渡し方

ご祝儀袋は会場の受付で渡すことになります。タイミングは披露宴前が一般的ですが、場合によっては挙式前に渡すこともありますので、案内に従うようにしてください。

受付の人にご祝儀袋を渡すときもマナーがあります。まず受付の手前で袱紗に包んだご祝儀袋をバッグから取り出します。自分の順番が来たら、「本日はおめでとうございます」などのお祝いの言葉を伝え、「新婦友人の◯◯と申します」と名前を名乗りましょう。

そこで初めて袱紗からご祝儀袋を取り出し、受付側から名前が見えるようにして渡します。ご祝儀を受け取ったら、すぐにその場を後にしましょう。お車代をいただいた場合は、「お気づかいありがとうございます」と言って受け取ってください。

結婚式にどうしても参加できない場合は、結婚式より前にご祝儀を渡しても問題ありません。直接渡す場合は、結婚式の1週間前までに渡すようにしましょう。

遠方の場合や、会いに行くことが難しい場合は、現金書留で送ることができます。結婚式当日は必ず避けて送ってください。また現金書留で送る場合は、メッセージを添えて送るのがベターです。

当日やむを得ない事情で欠席した場合は、新郎新婦の生活が落ち着いた頃を見計らって、お詫びを兼ねてご祝儀を渡しましょう。この際も遠方であれば、現金書留で送っても構いません。

ご祝儀のマナーを知っておけば結婚式でも安心

ご祝儀に関するマナーは細かい決まりごとも多いですが、大人の教養でもあります。

大切なお祝いの場で失礼のないことはもちろん、悪目立ちちしないためにも、しっかり身につけておきましょう。

また、ご祝儀は、事前に余裕をもって準備するべきです。今回紹介したマナーを参考に、ぜひ実際の結婚式の際に役立てください。